天然石図鑑
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セプタリアンとは?特徴・成り立ち・選び方をわかりやすく解説

米国ペンシルベニア州産セプタリアン・コンクリーションの実物写真
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セプタリアンは、内部の亀裂をカルサイトなどの鉱物が埋めた団塊(コンクリーション)に使われる呼び方です。切断面では泥質の部分と鉱物脈が組み合わさり、網目や亀甲のような模様が見られます。一種類の鉱物の名前ではありません。

まず3つだけ
  • セプタリアンは、団塊の内部に鉱物で埋まった亀裂がある石
  • 見どころは母体と鉱物脈の模様。脈にはカルサイトや石英などが見られる
  • 模様は亀裂と鉱物の充填の記録で、亀裂ができた原因まで外観だけでは決められない

石のきほん|基本データ

名称セプタリアン/セプタリアン・コンクリーション。鉱物で埋まった亀裂をもつ団塊の呼び方です。
母体堆積物が鉱物によって固められた部分。泥質や炭酸塩質など、地層や個体で構成が異なります。
亀裂を埋める鉱物カルサイトや石英など。地域によってドロマイトや石膏を伴う報告もあり、すべて同じ組み合わせではありません。
模様網目状・放射状の鉱物脈。研磨した断面では、脈と母体の違いを観察しやすくなります。
化学式・硬度複数成分からなるため一律ではありません。単一鉱物の硬度を石全体の値として扱いません。
確認する情報採集地、地層、構成鉱物、研磨や補修の有無。模様だけで年代・産地・鉱物種を確定しません。

どんな石?

団塊の亀裂をカルサイトなどが埋め、母体とは違う色や質感の脈が現れた石です。黄色い脈が褐色の部分を区切るものは、亀甲模様のように見えます。炭酸塩鉱物の比較にはアラゴナイトも役立ちますが、褐色の部分をすべてアラゴナイトと決めつけることはできません。礫が固まったコングロメレイトとも、模様の成り立ちは異なります。

亀裂ができた理由は、模様とは分けて考える

Astin(1986)は、英国の頁岩中の団塊について、埋没・圧密中の応力と内部の流体圧が亀裂形成に関わると論じています。そのため「泥の団塊が乾いて縮んだ」という説明だけを、すべてのセプタリアンに当てはめません。見えている鉱物脈と、その亀裂が生じた過程は分けて読みます。

セプタリアンノジュールの実物標本
セプタリアンノジュールの実物標本。LadyOfManyTalents / CC0。
セプタリアンの実物標本
別個体の実物例:セプタリアン・コンクリーション。James St. John / CC BY 2.0。
セプタリアンの模様を読み解く

堆積物の中で団塊ができる → 内部に亀裂が生じる → 亀裂に鉱物が析出する → 断面に母体と鉱物脈の模様が見える。

いしみる作成|基本的な位置関係と流れを示す模式図。実物写真ではなく、亀裂の原因やすべての個体の形成履歴を一律に示すものではありません。
比較用のカルサイト実物標本
比較用|カルサイト。セプタリアンの亀裂を埋める鉱物のひとつとして見られます。
比較用のアラゴナイト実物標本
比較用|アラゴナイト。カルサイトと同じ炭酸カルシウム系でも結晶構造が異なるため、関連鉱物として見比べられます。
比較用のコングロメレイト実物標本
比較用|コングロメレイト。複数成分からなる岩石でも、セプタリアンとは成り立ちが異なります。

選ぶときのポイント

  • 亀裂模様:黄色〜クリーム色の脈が褐色の母体を区切る、セプタリアンらしい網目・亀甲状の組織を観察します。
  • 構成鉱物:脈のすべてをカルサイトと決めつけず、販売説明や標本情報に構成鉱物の記載があるかを確認します。
  • 研磨状態:磨かれた断面では脈と母体の境界が見やすい一方、部位ごとに硬さが違うため欠けや亀裂も確認します。
  • 産地表示:セプタリアンは世界各地から産するので、模様だけで特定地域を断定せず、採集地・販売情報を見ます。

主な産地・分布

セプタリアンは世界各地から産しますが、米国Michiganなどの標本も知られます。

代表地域例

Michigan産のセプタリアン・ノジュール標本は、亀裂を方解石などが充填した典型的な組織を観察する参考になります。

いしみる作成|地域理解の模式図。品質分布を示すものではありません。

お手入れ

母体と包有物で性質が異なる場合があります。強い衝撃、急熱、薬品を避け、柔らかい布と短時間のぬるま湯洗浄を基本にします。

あわせてみる

いしみる4コマ|カルサイトの劈開
関連4コマ|カルサイトの劈開。セプタリアンを構成することがあるカルサイトの性質を知る補助導線です。
参考資料・出典
  1. British Geological Survey|Rock Rumble:Septarian nodule — 堆積物からなる団塊と、カルサイト・石英などが埋める亀裂の説明。
  2. British Geological Survey|Geology of the Aberfoyle district:Inverclyde Group — スコットランドの地域資料。セプタリアン亀裂にドロマイトや石膏が見られる例を紹介。
  3. Astin(1986)|Septarian crack formation in carbonate concretions from shales and mudstones — 『Clay Minerals』21巻4号、617〜631頁。公開要旨で埋没・圧密時の応力と流体圧による亀裂形成の議論を確認。

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